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結局、徹斗からの連絡はなかった。 大樹と二人で帰る時も、いつもの癖で正門に視線を向けたが、誰もいない。 分かっていたが、やはり寂しくなる。 傷付けたんだとはっきり言われているみたいで。 「……はぁ」 ため息をついてベットに寝転がる。 片手には携帯、そしてもう片方には紙。 その紙には、携帯の番号とアドレスが綺麗な字で書かれていた。 「一応、恋人だもの」 悠稀は微妙な顔でそれを眺めた後、携帯に打ち込んでいく。 「というか、赤外線でいいじゃない」 大樹はあまり携帯を使わないのか、赤外線は嫌だと言って聞かなかった。 だから、悠稀がこんな面倒な作業をしなくてはいけない。 「全く、子供みたいな人なんだから」 子供みたいに我が儘で、でも子供みたいにまっすぐで。 紘子が好きになるのも、少し分かる気がする。
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