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悠稀は走って家に帰る。 大樹と羽都が待っているのだ、時間かける訳にはいかない。 それに、大樹の事だ。自分が帰ってくるまで待っているに違いない。 「急がないと」 でも、悠稀の家までは遠いのだ。 流石に時間がかかってしまう。 「あぁ、もう!」 こうなるのなら、やっぱり大樹の言葉通り車を出してもらえばよかっただろうか。 いや、それは迷惑だろう。 どうせなら、大樹がバイクで送ってくれていれば。 今そんな事を言っても意味がないだろうから、悠稀はため息をつく。 走る速度を緩めて、悠稀は歩く。 「……疲れた」 だが、一度も止まらずに走り続けていたのだから、家まではもう少しだ。 やっと見えてきた我が家を見て、安堵の息を出す。
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