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携帯は、自分の机の上に無造作に置かれていた。
手に取った時、悠稀は携帯が光っている事に気付く。
「何?」
大樹や紘子は、本当に必要な時にしかメールなどをしてこない。
なら、誰だろう。
携帯を開けて、悠稀はその場で固まった。
携帯の画面に出る、着信履歴。
その1番上に載っていたのは、徹斗だった。
「……なんで?」
なんで、電話なんか。
携帯を握りしめて固まっていたが、悠稀は不意に携帯をポケットに突っ込む。
徹斗の事は後にしよう。
今は、早く大樹の元に。
今にも電話しそうな自身を無理矢理押さえ込み、走り出す。
行く道、悠稀は一度も立ち止まらずに走り続けた。
そうしないと、電話しそうで。
だが、大樹の家まできた悠稀が見た光景。
それは、大樹につかみ掛かっている徹斗の姿だった。
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