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「お前とあいつの間に何があったかは知らない。でも、あいつがお前を見て逃げたって事は、お前に会いたくないって事だ」 大樹の言葉一つ一つが、悠稀の胸をえぐる。 「俺に話してくれよ」 俯いてしまった悠稀の頭上から降ってきた声は、予想していたものより優しかった。 驚いて顔を上げると、大樹は優しく笑っている。 「俺は、今はお前の彼氏だ。それが例え偽りでも」 俺は、お前の支えになれるならなりたい。 大樹の言葉は、どこまでも優しい。 「俺の我が儘でお前を傷付けてるんだ、話しくらいなら聞ける。聞いてほしいだけなら、何も言わない。相談にのってほしいなら、お前の望む言葉をやるから」 今まで、大樹は苦手だった。 派手な金髪に、鋭い瞳。 それにあの性格。 仲良くなれた今でも、苦手意識は少しあった。 それなのに、今は。 彼を信じて、なんでも話してみようと思えた。
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