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悠稀がお粥を食べている間、悠紫はぼんやりと眺めていた。 あの時、大樹から悠稀を受け取った時。 悠紫は全て聞いたのだ。 何故大樹と悠稀が付き合ったのか。 そして、その関係が偽りである事も。 その話しを聞いて、決めたのだ。 自分は今日、悠稀に思いを告げようと。 お粥を食べ終えた悠稀の目が、とろんとしている。 見ていてわかる。 彼女は多分、眠いのだろう。 「寝るか?」 「……ん」 短い返事をすると同時に、悠稀は倒れ込む。 すぐに規則正しい寝息が聞こえてきた。
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