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「あぁ、ありがとう」
にっこり笑ってお礼を言った時、ふと違和感を感じた。
「……んん?」
「どうしたの、徹?」
不思議そうに覗き込んでくる悠稀を見て、徹斗は首を傾げた。
「悠稀、香水変えた?」
一応聞いてはみるが、悠稀の香水じゃないのは分かっている。
いつもの悠稀の部屋の匂いじゃない。
そして徹斗の物でもない、男物の香水の匂いだ。
「えっ…?」
驚いている悠稀の顔を見て、徹斗は核心する。
「………悠稀、彼氏できた?」
1番聞きたくない質問。だが、聞いておかないといたずらに不安が増すだけだ。
それに、男ができたなら追い払えばいい。
悠稀に手を出す奴は、徹斗が許さない。
「かっ、彼氏なんて居ないに決まってるでしょ!」
顔を真っ赤にさせながらそう言う悠稀を見て、胸が痛む。
多分、彼女には好きな人か彼氏でもいるのだろう。
だから、こんな反応をするのだ。
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