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悠紫の部屋に悠稀を寝かした後、大樹は悠紫に捕まった。
どうしても、今さっきの言葉の意味を知りたいらしい。
「どういう意味だ」
睨むような鋭い眼差しで自分を見てくる。
多分、悠紫は辛かったんだろう。
悠稀が自分の側からいなくなって、自分の親友と付き合ったから。
大樹なら多分、堪えられない。
「……お前、薄々気付いてるだろ?」
そう問い掛けると、悠紫は黙る。
気付いていても、大樹からの言葉を求めているのだろう。
大樹が言えば、それは真実だから。
「俺と悠稀は付き合ってねぇよ。偽りって言ったろ?」
ため息混じりに言われた言葉。
それは、悠紫の求めていた言葉なのだろう。
「なら、なんで付き合ったなんて嘘言ったんだ」
次に、悠紫は責めるような声音で問い掛ける。
「お前、案外面倒な性格だなぁ」
呆れたように笑って、大樹は悠稀と付き合う経緯を話し出した。
悠紫が納得するまで、何回も何回も言い直す。
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