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「それに、今はやめとけよ」 それは、告白をするなという事。 大樹は確かにそう言った。 からかいでもなんでもない、真剣な表情で。 あの時はなんで言われたのか分からなかった。 聞いてもはぐらかされるだけで。 「……そういう事か」 悠稀は今、徹斗の事で頭がいっぱいなのだろう。 それこそ、夢にでるくらい。 謝っているのだから、甘い関係になった訳でもないみたいだ。 「悠稀」 悠稀は、何に悩んでいるんだろうか。 大樹には話しているようだが、自分には。 話してもらえるのだろうか。 何を悩んでいるのか、どうしてそうなったのか。 それを、話してもらえたらいいのに。
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