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悠紫に送ってもらった後、悠稀は覚悟を決めた。 どうしても、徹斗と会って謝りたい。 自分の事を本気で大切にしてくれている、彼に。 謝って、出来れば許してもらいたいのだ。 「無理、かしら」 許すまでは、まぁいかなくていい。 せめて、謝るだけでも。 一歩一歩足を進めて、悠稀は徹斗の家に向かう。 まだまだ先は長いのに、ドキドキしている心臓。 自然と、顔が強張る。 まずは、大樹に怒鳴っていた事に対するお礼を言わなければ。 大樹が無理矢理付き合わせた訳ではないし、自分が傷付いた訳でもない。 それでも、自分の事を思って本気で怒鳴ってくれた徹斗。 それが、悠稀には嬉しかったのだ。
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