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いつものようにミルクティーを出すと、悠稀は悠紫と向かい合うように座る。
悠紫はただ、出されたミルクティーを見ていた。
「どうしたの?」
なかなか飲まないし、話し出さない。
そんな悠紫に痺れを切らして、悠稀が聞く。
「……仲直り、できたか?」
いきなりの質問に、悠稀は虚をつかれた。
瞳を真ん丸にして驚いている。
悠紫は何も言わない。
ただ、悠稀の返事を待っているだけ。
「えぇ、ちゃんと出来たわ」
心配してくれたのだろうか。
だとしたら、嬉しい。
悠稀の笑顔に、悠紫の表情も和らぐ。
「そうか。よかったな」
そう言ったきり、また悠紫は黙り込んだ。
悠稀は自分のいれたミルクティーを飲みながら、悠紫を見る。
何をしに来たのかは分からないが、間違いなく今の質問をするためではないだろう。
今も、ずっと何かを考えているのだから。
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