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いつまで経っても、話し出さない。
いつの間にかミルクティーを飲み干していたので、悠稀は立ち上がる。
ミルクティーを入れ直すつもりだったのだ。
なのに。
「待て」
悠紫に腕を掴まれた。
びくりと悠稀の体が揺れる。
それを見て、悠紫は腕を離した。
いきなり腕を掴むのは、やはりまずかっただろうか。
ぼんやりそんな事を考えていると、悠稀が座る。
「何?」
優しく笑う悠稀を見て、彼女が怒っていない事が分かった。
柄にもなく安心して、悠紫は悠稀の目を見る。
「話したい事があるんだ」
あまりにも真剣な悠紫の表情。
それを見て、顔がみるみるうちに赤くなる事に気付く。
苦笑を浮かべ、悠稀は無言で先を促した。
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