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悠紫は、冷静に悠稀の返事を待つ。
だが、内心は冷静でなどいられない。
もし断られたら。
迷惑じゃないだろうか。
そんな事を考えている自分に、悠紫は苦笑する。
まさか、告白される事しかなかった自分が告白するとは。
今なら、酷い振り方をした彼女達に謝れるかもしれない。
関係ない事を考えて悠稀からなるべく意識を逸らしてきた。
なのに、彼女は返事どころか話してさえもくれない。
「……悠稀?」
流石に沈黙に耐え切れなくなった悠紫が、そっと悠稀を覗き込む。
悠稀の顔を見て、悠紫はただ驚いた。
真っ赤な顔に、見開かれた瞳。
何か言おうと口がぱくぱく動くのだが、結局は声にならずに消える。
いつもの悠稀では考えられないくらいの動揺だ。
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