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台所から戻ってきた悠稀が、両手にコップを持っている。
それに気付き、悠紫は首を傾げた。
目の前に、ずいっとコップが差し出される。
「おかわりだけど、いる?」
悠稀は、悠紫のコップが空なのに気が付いたのだ。
よく見ていると感心してしまう。
「あぁ、ありがとう」
拒否する理由は何もないので、笑顔で受け取る。
本当は、悠稀が戻ってきたら帰るつもりだった。
でもまぁ、飲み終わった後でもいけるだろう。
そう考え、悠紫はミルクティーに口を付ける。
「……ねぇ」
不意に、悠稀が声をかけてきた。
視線を向けると、何故か固い表情。
それだけで分かる。
悠稀の話しは、自分がした告白についてだろう。
そして、悠稀の答えは「NO」だ。
彼女は今でも、徹斗を苦しめた事が足枷になっているのだろう。
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