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「何に怯えてるとか、わかるか?」 「分からないわ。ただ、最近なんか電話とかがよくかかってきて」 そう、かかってくるようになってからだ。 何かを悠稀に隠すような感じがするようになったのも、その時から。 もしかしたら、その電話と何か関係があるのかも。 「やっぱりちょっと心配ね」 「帰るか?」 悠稀を気遣ってくれているのはわかる。 だがせっかくの二人きりでデートなのだ。 その日にすぐに帰るというのは勿体ない気がする。 「……大丈夫よ。また帰ってから母さんに聞いてみるわ」 まだ大丈夫だろう。 今まで何もなかったんだから、今もこれからもきっと何もないはずだ。 そう結論付けて、悠稀は悠紫に笑いかけた。 悠紫はまだ少し心配そうだったが、すぐに優しい笑顔を浮かべる。 悠稀は気付いていなかったのだ。 そして後悔する事になる。 なんでこの時、戻っておかなかったのだろうかと。
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