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悠稀と別れてすぐ、悠紫は歩いて数十分はかかる大樹の家に向かった。 そして今、悠紫の目の前には、とても広い豪邸があった。 「いつ見ても、無駄に馬鹿でかいな」 呆れたような声と顔。 悠紫は大樹の家に着いたのだ。 あれでも、大樹はお金持ちだ。 だからあれだけ好き勝手に出来る。 「どうせ、またつまらん事だろう」 そう考えると、自然とため息が出て来る。 「悠紫様」 どうしよう。いっその事帰ってしまうか? 大樹の用事を考えて、憂鬱な気分になっていた悠紫は、名前を呼ばれて顔をあげた。 「……羽都(はつ)」 羽都と呼ばれた少女は、悠紫に呼ばれてふわりと微笑んだ。
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