35

12/12
前へ
/373ページ
次へ
でも。 「私は悠紫が来てくれた事が嬉しいの」 父親に殺されるかもしれないのに、はっきりと言われた恋人の言葉。 それが、悠稀には嬉しかった。 「ありがとう」 「あぁ」 そっと悠紫に寄り添いながら、悠稀は幸せを噛み締める。 こうやって側にいられるだけで、満足だ。 大好きな人の側に、寄り添いながら笑いあえる。 それがとても幸福な事だというのを、よく知ってるから。 「悠紫」 「ん?」 だから、思いを込めて。 今の気持ちを全て引っくるめて、この一言に込めよう。 「大好きよ」 「あぁ、俺もだ」 二人寄り添い、顔を見合わせて一緒に笑いあった。 .
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2034人が本棚に入れています
本棚に追加