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「へぇ、お前が口だしなんて珍しい。いじめをしないのはいつもだけど」 「別に、そこまで田之上にこだわる必要ないだろう」 その言葉が1番当てはまるのは、実は自分の方だと悠紫はひそかに思っていた。 だが、大樹が無駄に悠稀に依存しているのも確か。 「俺は、ただ泣かしたいだけだ」 「なら、他でもいいだろう?」 口喧嘩になりそうな雰囲気の中、一人の青年が声を出した。 「任せてください、大樹さん。俺が泣かします」 そう言って笑う。それを聞いて、二人とも言い争いをやめた。 「頼むぜ、克巳(かつみ)」 大樹にそう言われ、克巳は満足気に笑っている。 悠紫は少し不機嫌そうだが、これ以上大樹と言い争うのは嫌なので、とめる事が出来なかった。
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