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ふぅ、と横から小さいため息をつくのが聞こえた。 はっとして避けようとしたが、それより少し早く悠紫の頭が悠稀のほっそりとしたふとももに乗る。 「まだ、私許可した覚えないけど」 「気にするな」 一応文句は言うが、振り払う事はしない。 「悠稀、お前は大樹が嫌いか?」 「えぇ、大嫌いよ」 ふっと、笑う声が聞こえる。 「……何よ」 「いや、まさか誰もこうは思わないよな。あの大人しくて地味な少女が、こんなに強気で綺麗な少女だって」 いきなりの褒め言葉に、珍しく悠稀の頬が赤くなる。 幸い、悠紫は目を開けていなかったが、口元が吊り上がっている。 「……性格悪いわね」 こういう事しか言い返せないのが、悔しかった。
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