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「……馬鹿らしい?まぁ、確かに貴方にとっては馬鹿らしいかもね。何をしなくても言い寄ってくる男がいっぱいだもの」
そう言う今の紘子は、悠稀の知ってる紘子とは程遠いものだった。
そんな紘子を見て居たくないので、悠稀は悲しそうに目を伏せる。
「変わったわね。今の紘子、外見も中身も凄い醜いわ」
「なっ!?」
流石にショックを受けたのか、金魚のように口をぱくぱくしている。
だが、それでやめる悠稀ではない。
「そんなんだから、あの馬鹿上野にも愛想尽かされるのよ」
悠稀がそこまで言うと同時に、パァンと大きな音が響く。
「痛っ!」
「うるさい!どうせ貴方には分からないわよ!!」
紘子がまた手を振りあげる。
咄嗟にきゅっと目を閉じた悠稀だが、いつまで経っても衝撃が来ない。
恐る恐る目を開けて、悠稀は目を見開く。
「何やってんの?」
悠稀の前には、振り上げた紘子の手を掴んでいる、徹斗がいた。
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