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次の日、悠稀は地味な方ではなく素の悠稀で登校した。 周りにいる人達の視線を嫌というほど受け、悠稀は早くも不機嫌。 「あ、おはよう」 ふと視線の先に紘子が居たので、悠稀は咄嗟に挨拶する。 そしてすぐにはっとなった。 「あ、えっと……」 「…おはよう」 ぽつりと小さい声で挨拶を返す、紘子。 「え?」 信じられない、というように紘子を見る悠稀に、紘子は気まずそうに視線を反らす。 「勘違いしないで。悠紫先輩に言われたからよ」 そう、昨日悠稀が帰った後に悠紫が紘子に言ったのだ。 せめて、挨拶くらいはしてあげてほしい、と。 「……馬鹿悠紫」 幸せそうに呟いた悠稀を無視して、紘子はそのまま進んでしまった。 慌てて上履きに履き変えた時、違和感を感じる。 いつも置いてある画鋲がないのだ。 首を傾げながらも、遅刻気味な悠稀は急いで教室に向かう。
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