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「で、何?」
静かに大樹の後に着いて行くと、たどり着いたのは屋上だった。
立入禁止の筈の屋上の鍵を何で持ってるのかとか、聞きたい事は山ほどあった。
だが、それら全てを横に置いておいて、悠稀は早々と本題を切り出す。
自分を虐めた大樹と一緒に居るのは、自分のプライドが許さない。
「そう焦るなって」
また困ったように笑う。
「うるさいわね、貴方と一緒に居たくないの。早く本題言ってくれる?」
だが、悠稀は容赦ない。
「言わないなら帰るけど」
本当に踵を返す悠稀を、大樹は慌てて止める。
「待て待て、言うから!だから戻って来いよ」
「……何でそんなに偉そうなのよ」
ぶつぶつ文句を言いながらも、悠稀は素直に元の位置に戻る。
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