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「な、待て!」
慌てて慶輔が追い掛ける。
だが、もともと運動の出来ない慶輔と、出来るがやらなかった悠稀とでは、差が違いすぎる。
さっき追い付かれたのがおかしいくらいだ。
「……徹、徹!」
自分の方に向かっている徹斗を見つけて、悠稀は徹斗の胸に飛び込む。
「うわぁ、悠稀!?」
いきなりの事で、徹斗は2、3歩下がったが何とか踏ん張って悠稀を受け止めた。
「何が……」
「誰だお前!?僕の悠稀ちゃんから離れろ!」
少しして追い付いてきた慶輔は、徹斗を指差して叫ぶ。
「僕の悠稀ちゃんだと?」
ふと、徹斗の表情が変わる。
悠稀を自分の後ろに移動させて、真正面から慶輔を睨む。
金髪と凄みのある視線に、慶輔は一瞬怯んだ。
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