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「悪いけど、悠稀は俺んのだから」 その一言と同時に、徹斗は悠稀をひょいっと抱き抱える。 「ひゃあっ!」 いきなりの事で声をあげる悠稀。 当たり前だ。徹斗は悠稀を、所謂お姫様抱っこ状態にしているのだ。 「て、徹。恥ずかしいんだけど」 徹斗の行動に、思わず赤くなる悠稀。 それを、珍しいものでも見るような表情で見る徹斗。 徹斗が赤くなる悠稀を見たのは、初めてなのだ。 「……お前!」 いきなり徹斗に向かってきた慶輔を、徹斗は慌てて避けた。 と、その慶輔の手に握られている物を見て、流石に顔色を変える。 「何する気だ…!」 低く押し殺したような声。 そのままゆっくり悠稀を降ろし、自分の後ろに隠す。
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