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「上野……先輩?」
お箸をくわえながら、悠稀は首を傾げる。
そんな悠稀の前には、少し呆れたような表情の紘子が居る。
「やっぱり知らないんだ?凄い有名なのに」
そう言われても、知らないものは知らないのだ。
興味もないから、悠稀はまたご飯に手をつける。
「あのね、金髪に赤のメッシュをいれてるかっこいい人よ。私は、矢神先輩より上野先輩のが好き」
そう言って笑う紘子の顔は、まさに恋する女の子の顔だ。
「ふぅ、ん」
興味なさ気に返した返事にも、紘子は気にしない。
真っ直ぐどこかを見つめていた。
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