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そして、喫茶店を出て再び本屋へ…… 俺の隣りで、参考書を真剣に見ている渚。 その目は、バスケをしてる時と同じくらい真剣だ。 ……俺、渚のこの目好きなんだよな… 初めて渚に会った日もそうだった 渚は、俺を……俺のプレーを今と同じ真剣な目で見てきた 渚は いつも俺を見てくれて いつも俺の心配してくれて きっとあの頃の渚は、俺のことを弟とかと同じ扱いをしてたんだと思う…… 渚には3つ下の弟がいるから…… でも、あの頃の俺は、そんな扱いでも渚が手を焼いてくれるのが嬉しかった。 何かあるとすぐ泣いてた俺に、いつも優しくオレンジジュースとゼリーをくれた渚。 なんか悩んでいると、すぐに気付いてくれて…… 中学に入ってから、渚は可愛くなって…… 昔からモテてたけど… あの日、渚が言ったから…… ~回想~ あの日も、いつもと同じように、クラブチームの話をしようと思い、渚のいる教室に行くと…… 「ねぇ渚、渚ってどんなタイプが好きなの?」とクラスの女子と話だした 「うーん…… 強気で、前向きで、優しくて…かな?」と渚 「泣き虫とか嫌じゃない!? あと、ヘタレとかー」と他の女子 「あっ、それわかる! 男はやっぱ紳士的じゃないとね! ね、渚?」とクラスの女子 「えっ?う、うん! そうだよね~。」と渚 「渚さ、そんなダメな男が告ってきたらどうする?」とクラスの女子 「えーダメな男でしょ? 無理むり。せめてカッコイイ人にして」と渚 それを聞いて、俺は走ってその場から逃げたんだ…… 本当はちょっと期待してた。 いつも俺を見てくれてるから、渚も俺を好きなんじゃないかって。 泣き虫な俺でも、受け入れてくれてるんだって。 でも… 今の俺が告ってもダメだってわかったから…… ~回想終了~ だから俺、泣き虫卒業したんだぜ? 渚が好きって言ってくれるような男になるために…… 渚はいつになったら、俺を一人の男としてみてくれる? もう弟じゃ嫌なんだ。 俺は、渚のために強くなるから。 俊也先輩みたいになるから。 そうしたら、渚は振り向いてくれるか? 本当は、全中優勝したら、インタビューで俊也先輩みたいに言いたかった。 『俺がここまでこれたのは、渚のおかげだ』って。 なのに、俺のせいで負けたから…… こんなんじゃ、まだまだ俊也先輩みたいにはなれないな……
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