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だが、紗那の質問の仕方だと人は多くの場合いずれかを選び答える。
すると、『ホスト』は『ゲスト』の好みの物でもてなす事が出来る。
こうして考えれば彼女が生徒会長になったのも納得がいく。
「わかったわ。その辺に座ってちょっと待ってて?」
「うん、ありがとう。」
広々とした生徒会室の中央付近に置いてある、ソファセットに腰を掛けて待つことにする。
その間、唯が考える事といえば、非常に限られている。
先程の一件だ。
勿論告白の方だが、返事をハッキリ聞いた方が良いのか悩ましい事だ。
大体、返事は予想がつく。
『実は、私も。』
的な返答が帰って来るはずがない。
紗那にとって、唯とは今日が初対面だ。
しかし、こうして唯をお茶に誘ったのだから嫌われてはいないと思われる。
と、結論はいくら考えても出るはずもなく、紗那は紅茶の入ったカップをトレーに乗せて運んできた。
「お待たせしました。」
「ありがとう。」
クスッ
「さっきから、もう二度目よ?」
唯の様子に紗那が笑みをこぼす。
「…緊張してるんだよ。君と二人だから。」
「あんな、大胆告白、私にしたのに?」
紗那は唯の向かい側に座りながら唯に尋ねた。
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