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季節は秋。
桜凌高校では次期生徒会長も決まり、進学校であるココでは3年生の半数は本格的に大学入試モードに突入。
残りの半数はエスカレーター式に桜凌大学へ。
と言った感じで、両極端に別れていくこの季節。
食欲の秋
又は、読書の秋
又は、芸術の秋…などなど。
最近ではあまり耳にしなくなった言葉ではあるが秋の代名詞。
そしてなんだか少し切なくなるような季節。
取りあえずは、生徒会役員の就任挨拶が行われるため、全校生徒は講堂へ集合。
生徒達は口々に不平不満を呟きながら重い足取りで廊下を歩く。
その中でも、人目を引く男子生徒が一人。
長身の優男(ヤサオトコ)。
甘いマスクの好青年。
正確に言えばその一人と取り巻きの女子生徒が多数。
その人物はまとわりつこうとする、女生徒をかわしつつ涼しい顔をして歩いている。
九条 唯(クジョウ ユイ)♂ 高校2年生。
『ねぇ、唯ちゃん。生徒会の就任挨拶とか聞いてどうするんだろうね?誰も聞いてないのに。』
ちなみに唯は一部の女子から、ちゃん付けで呼ばれていたりする。
普通の男子なら、怒るまではいかないにしても、いい気はしないだろうが、唯はそんな事を気にするような器の小さい男ではない。
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