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「なんで?って言われても、大人の考えた事は俺にはわかんないよ。」
『サボっちゃおうか?』
「ダメだよ。親の稼いだお金で学校に通ってるんだから、ちゃんとしないと怒るよ?」
『もう、見た目によらず真面目なんだから。』
「違うよ。俺はね、当たり前の事を言ってるだけなの。」
どうでもいい話をしている間に、講堂に到着。
ほとんどの生徒がすでに集まっていた。
『皆さん、もうすぐ時間です。クラス毎に区切ってあるんで椅子に座って下さ~い。』
スピーカーを通して、現・生徒会役員と思われる男子生徒の声が講堂の外まで響いていた。
今日が最後の仕事とあってか、いつもよりハリキって見えるのは気のせいではないだろう。
『じゃ、唯ちゃんまた後でね。』
「みんな、ちゃんと大人しくしてなよ。」
全員が席に着いたと思われる頃、生徒会によるアナウンスが始まった。
『皆さん、お静かに。』
その一声に辺りは静まり返る。
『只今より、生徒会新役員の就任挨拶を行います!』
キャーーーッ!!
ウオォーーーッ!!
女子からの黄色い歓声と男子からの雄叫びが講堂全体を揺らしているような感覚に捕らわれる。
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