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次に現れるのは新任の生徒会長となるわけだが、時間が過ぎるばかりで
『少々お待ちください。』
などというアナウンスが流れるばかりで本人は一向に姿を見せない。
そればかりか、壇上の袖の辺りでは何やらもめ事が起きているようで、言い争うような声が後ろの席に座る唯の耳にも届いていた。
他の生徒達も期待していただけに今か今かと、待っている間にその期待もちょっとした怒りに変わりつつあった。
とはいえ、唯はそんな事には相変わらず興味はなく、ただ、すこしでも早く終わりにして欲しいと願うばかりである。
その時…
『…っだから、私は会長なんかやりたくないって言ってるでしょぉぉぉっ!!』
誤ってスイッチが入っていたと思われるマイクから、先ほどの声援にも劣らないような女生徒の叫び声が講堂内にこだました。
当然の事ながら、散々待たされていた生徒達は一気に静まり返る。
そんな中、一人の女生徒が壇上の中央に歩いていく姿が視界に入ってきた。
一時静まった、ざわめきが再び蘇る。
その状況からも、彼女が先程の声の主であることが推測出来る。
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