始まりの地

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彼はゆっくりと風上へ目を向ける。そこには闇と星空しかないのに、何故か眩しくて目を細めてしまう。その光源を視線で辿ると、緩やかな丘の上に、小さな人影が見えた。 人影は遠く、身体が小さい事以外はわからなかったが、彼はそれは久しぶりに大地を蹴って駈けながら、その人に一生仕える事を誓っていた。 漸くだと、彼は自分でも驚く事に泣いていた。 辺りには花の香りが満ちていた。 .
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