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「ねえちょっと。何悠長に話しているの」
「アニキ?」
アニキと呼ばれた少年は夙子をちらっと見て、言った。彼は夙子を受け止めた人物だった。
「こいつはこの国の皇女なんだぜ。気なんか許しちゃいけない」
そう言って夙子に置かれた手を外す。
「む……何なんですか、あなた。私をここまで連れてきたのはあなただったでしょう。『ウチんちくる?』って言って、ナンパしたの、そうでしょう」
「アニキ」は、少し眉間にシワをよせると言った。
「っは。当たり前だろう。あのままあんたを野放しにしていならどうなる?他の奴らに捕まってお陀仏だ。怨みに恨みに攻撃されて、もうこの世にはいなかっただろうよ。感謝しな」
「……?どういうことですか?意味分かんないです。ちゃんと説明しなさいですよっ」
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