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「アニキはああ言っていたけど、俺、夙子ちゃんのことあきらめずに、アニキに負けずに頑張るからっ」
葉の腕に力がこもる。
「よろしくなっ」
「……あ……あにゅにゅにゅにゅ……」
こうして、私たちの物語は始まったのだった。
「いてっ……」
「睦月?」
さっきまで寝ていたはずの睦月がいきなり声を出した。
読書をしていた夙祢は顔を上げる。
「……夢、か」
睦月は体を起こすと、夙祢を見てから苦笑した。
まさか、そんなこと自分が考えていたなんて。そして……。
「どうしたの?睦月。変なポーズで寝てた?」
「いや……ちょっと変な夢を、ね」
「夢?どんな?」
俺は、夙祢が女だとしてもここに置いていたなんて。
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