#2 もしもシリーズ①

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「アニキはああ言っていたけど、俺、夙子ちゃんのことあきらめずに、アニキに負けずに頑張るからっ」 葉の腕に力がこもる。 「よろしくなっ」 「……あ……あにゅにゅにゅにゅ……」 こうして、私たちの物語は始まったのだった。 「いてっ……」 「睦月?」 さっきまで寝ていたはずの睦月がいきなり声を出した。 読書をしていた夙祢は顔を上げる。 「……夢、か」 睦月は体を起こすと、夙祢を見てから苦笑した。 まさか、そんなこと自分が考えていたなんて。そして……。 「どうしたの?睦月。変なポーズで寝てた?」 「いや……ちょっと変な夢を、ね」 「夢?どんな?」 俺は、夙祢が女だとしてもここに置いていたなんて。
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