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「…それは、答えられないわ」
「………なんで?」
「…いつかおのずと答えが見出だされる時が、やってくるからよ」
「答えになってない…!どうして、ねぇっどうして?!
………もう………生きたくないよ!!
みんなが居ない世界になんて、いたくない!
もう…終わりにしたい……」
―パチン。
静かな空間の中で、響き渡る鋭い破裂音。
「…………あ………。
………ぶった……………」
アラリオはルナの頬を叩いていた。
その表情は、いつになく真剣で、哀しげだった。
「あなたの命は、あなただけのものじゃない!
それなのに、自分から生きることを放棄しようとするなんて…。
私は絶対に許さないわ!!」
「……………ぅう…………」
ルナには分かっていた。
自分の命は、色んな人に支えられ育まれてきたこと。
命を投げ出すことは、死んで行った皆の存在を否定するに等しいと。
「生きましょう。私達と」
アラリオはまた、ルナを優しく抱擁した。
「ぅぅぅ………ぅああぁっ………!」
ルナは心を許したのか、アラリオにしがみつき、泣き出した。
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