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ありきたりなインタビューも終わり、楽屋に戻った。
鏡の前に座ると同時に鳴らされたノック音。
ゆっくり開かれる扉を鏡越しに見ていた。
『この後、お暇ですか?』
そこに現われたのは、さっきまで向かいに座っていた栗原。
『もう仕事はないですけど?』
『飲みに行きませんか?
もっとサクヤさんと話したくて…』
先ほどまでとは、打って変わった女の顔。
こいつも、つまらない人間か。
聞こえないように小さなため息を漏らした。
『仕事なら、いつでも受けますよ。
お疲れさま』
楽屋を出ようと、横を通り過ぎようとした時、栗原の手が俺の手首を掴んだ。
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