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コンコン
『サクヤさん…そろそろスタンバイですよ~』
中の様子を伺うかのように、ドアノブに手をかけたまま声をかけてきた千夏。
足元に転がる、形を変えた携帯を見たものの、それ以上何も言わなかった。
『次の携帯は、何色がいいですか?』
『使えればいい』
『分かりました。
“サクヤ”さん。お仕事です』
『あぁ』
昔と何ら変わっていない千夏。
マネージャーになって初めてこの光景を目の当たりにした千夏も、同じ言葉を言っていた。
だからこそ、千夏は5年も俺のマネージャーをしているのだけれど…
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