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『おっ。サクヤ。ま~た違う女連れて』
『羨ましがんなよ!』
いつものマスターの決まり文句。
軽く受け流しながら、いつもの個室へと入った。
『いつもこの店に顔出してるんですか?』
『表にガードマンいただろ?
簡単には入れないよ』
接点を必死に探そうとしている香織は、明らかに落胆した表情でビールを口にした。
『なら携帯の番号を!』
『ひっきりなしに掛かってくるから、ほとんど出ないよ?』
『…』
こういった軽い女は、もういらない。
どんな誘いにも“YES”と言わない俺に、香織は諦めたのか飲むスピードを早めていった。
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