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『ありがとうございました』
頭を深々と下げ、ドアを開けようとした手を掴んだ。
『また会ってくれる?』
『えっ…』
驚いたような、その表情も新鮮で。
『また会って欲しいんだ』
『でも…香織が…』
『俺は里緒と会いたいんだ。
里緒を知りたい』
暗やみの車内でも、一瞬に顔を赤らめたのが分かる。
『里緒にも俺を知って欲しいんだ』
『…』
俯いた里緒の頭に手を乗せた。
『…はい…』
今にも消えてしまいそうな小さな声。
つまらなかったら切ってしまえばいいだけ。
俺のヒマ潰しのゲームが。
始まった。
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