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『お疲れさまでした!』
次の日。
予定よりも長引いた撮影。
スタジオを出るまで、声をかけ続けるスタッフを横目に、地下駐車場へと急いだ。
プルルルル
携帯を耳に当てながら車を発進させると、長いコール音から寝呆けた声へと変わった。
『もしもし?今から会えない?』
今からと言うには迷惑な時間帯。
だけど、玩具を見つけた俺は、我慢出来ない子供のように遊びたくて仕方なかった。
コンコン
『こんばんは』
『…どうぞ』
結局、俺の話術に勝てなかった里緒。
開け放たれた玄関を入ると、すぐに部屋が一つ。
ソファーもベッドもない部屋には、小さなテーブルが置かれていた。
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