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あれから3日。
里緒からメールが届いた。
明日休みです。
11時には家に帰っています。
何ともシンプルな、女からとは思えない絵文字も何も使われていないメール。
レコーディングを終えた12時過ぎ。
俺は自宅にも帰らずにボロアパートへ向かった。
『お疲れさまです』
あの日とは明らかに違う里緒の表情。
手応えを感じた俺は。
次の作戦に移る事にした。
『お腹空いてませんか?
口に合うか分からないですけど…』
出されたオムライス。
“うまい”そう言うと、里緒は安心したように喜びを表した。
『きゃっ!』
洗い物をしていた無防備な背中。
後ろから抱きしめると、里緒は小さく驚きの声を出した。
『里緒?俺、里緒の事好きになってもいい?』
しばらく黙っていた里緒は、小さく頷いた。
ほら。
もうお前は逃げられない。
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