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「テメー!!! 不良を馬鹿にする気かぁ!?」
『馬鹿だから、馬鹿だと言ったのだ』
「ゴルァアアア!!! 取り消せ――――――!!!!!」
怒りの鉄拳を渾身の力を込めて、死神に向かって振り下ろす。
スカッ
拳は空を切り、大祐の身体はその勢いで死神をすり抜けた。驚いて振り返る。
「なんで・・・・っ!!??」
『お前は死んだのだ。幽体の身体で固形物体に触れる訳がないだろう。早く気付け』
「なに―――――――――――――っっっ!!!!!????」
大祐は悲鳴を上げ、頭を抱えて鬼のような形相で死神を睨みつけた。
おお、怖い。と死神サギが呟く。
「おい! 俺様が死んだってどういう事だよっ!!!?? 解るように説明してくれ!!!!」
再びサギに飛び掛かるが、その手はサギの身体に溶けるようにすり抜ける。握りしめた手は空を掴むばかりだ。
『宮野大祐、お前は死んだのだ。さっき子供を庇っただろ。だがな、あれは予定外の行動だった。本来ならあの子供の魂を捕る筈だった。けど、お前が余計な事をしたから・・・・』
「余計だと!!?」
んだとコノヤロー、助けちゃワリーのかよ!? と、怒鳴りながら唇を噛みしめ、再び拳を握る。しかしその拳を振るっても無駄だということに気がついた大祐は、黙って恐ろしい形相でサギを睨んだ。
『まあ、今のは言葉が悪かったかもしれないが、他人を庇って自分が死んでいては、世話無いからな。死神世界から特別に、生き返るチャンスを与えてやる』
「生き返る、チャンス?」
大祐の眉毛がピクリと小さく動いた。「それがあるなら、さっさと教えてくれ! コノヤロー!!」
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