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「義仲様っ!あぁ、ご無事でよかった…」
「…っ、兼平!これは…どういう…」
「手塚太郎!」
再会の喜びを味わう間もなく、兼平は手塚太郎に掛かっていった。
「なっなにをなさるか!」
「お前…法皇を幽閉したと、そんな事をしたらどうなるか分かっていただろう!」
「幽閉だと?そんな事はしてはおらぬ」
「とぼけるな!確かにここへ来る途中に聞いたのだ!」
「…どういう事だ、兼平」
「義仲様…こいつは、手塚太郎は法皇を幽閉したのです。
そんな事をすれば江戸を敵に回してしまう!」
「江戸を敵にまわしたとすれば、源氏の頼朝は黙ってはおりませぬ、もしや手塚…」
巴は手塚太郎を睨んだ。
「…計ったのか」
「さすが、巴殿よ。女にして剣を握るだけあるわ。」
クククと、手塚太郎は笑いを噛み殺す。
「そう、私は頼朝の命によって法皇を幽閉したのだ。
義仲、お前…頼朝様の誘いを断ったらしいではないか。だからお前などいらなくなったそうだ。」
「…っ!」
いらない?
誰が?
…私が?
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