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「‥さかい?」
「え‥?あッ」
手を握ったまま、ぼーっと井上の顔を見ていた自分に気付き、焦って手を離し、ゴメンナサイッと深々と頭を下げた。
明らかに不審じゃないか!手を握ったまま男の顔を見つめるなんて、ヘンタイじゃないんだから!!
「じゃ、か、かえりますッ!!」
井上の顔も見ず、逃げるように音楽室を出る。
「‥‥、気をつけろよ‥」
ドアを閉める瞬間、笑いをかみ殺したような井上の声が聞こえた気がした。
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