年下の男の子

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そして土曜日はやってきた。 朝から比奈はウキウキしていた。 新しいルームメイトができることはもちろん、家賃を全額払わなくてもすんだからだ。 「あ、引越しの車が来たよ」 ベランダから外を見ていたみなみが言った。 業者の手によって、次々と荷物が部屋に運ばれた。 といっても、思ったより荷物はかなり少ないようだった。 あっという間に運ぶのが終わり、業者もすぐに帰っていった。 「どんな子なんだろね。引越しの車も行ったから、もう来るよね」 みなみとそう話していると、リビングのドアが開いた。 比奈とみなみは大きく目を見開いてそのまま固まった。 そこにいたのは、キレイな顔立ちの少年だった。 「加納優月です。これからよろしくお願いします、比奈さん」 そう言って少年はにこっと笑った。 .
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