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「みなみにもよく言われる。ホントに掃除できないんだよね。やっているうちにどんどん部屋が荒れていくタイプなの」
「それどんなタイプ?」
比奈は自分で言ったとおり、そういうタイプだった。
物を運んでいるときに、あとで運ぼうと思っていた雑誌の山にぶつかって散乱させたり、床を水浸しにしたり、大事なコードを抜いたり。
自分でもイヤというくらいに面倒な思いをしてきたので、比奈はそれをしないことにしたのだ。
それが賢明な選択なのかはわからない。
それを聞き、優月は声を出して笑った。
そのあとに、「俺がちゃんとするよ」と言った。
比奈は年下の、しかも男に掃除をさせるのはなんとなく複雑な気持ちだったけど、どうしようもないことなので改めて優月にお願いした。
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