年下の男の子

5/11
前へ
/345ページ
次へ
「茜が妊娠したんだ」 頭を下げたまま、智和が低い声で言った。 「…は?それでどうして智和が謝るの?」 「ごめんなさい、比奈!あたしが悪いの」 茜は比奈のほうを見て言った。 「あたしが智和君を誘ったの!だから責めるならあたしを責めて!」 泣きじゃくる茜、頭を下げ続ける智和。 比奈の頭は高速で回転し、状況をいち早く理解した。 「…智和はどうするつもりなの?」 「…俺が父親だし、責任とって茜と一緒にいようと思う」 そう言われると、比奈はもう何も言えなくなった。 深いため息をついて、自分の部屋に戻ろうとしたときだった。 「比奈!」 茜が比奈を呼び止めた。 比奈はそれを無視して部屋の扉を閉めた。 .
/345ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27265人が本棚に入れています
本棚に追加