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「茜が妊娠したんだ」
頭を下げたまま、智和が低い声で言った。
「…は?それでどうして智和が謝るの?」
「ごめんなさい、比奈!あたしが悪いの」
茜は比奈のほうを見て言った。
「あたしが智和君を誘ったの!だから責めるならあたしを責めて!」
泣きじゃくる茜、頭を下げ続ける智和。
比奈の頭は高速で回転し、状況をいち早く理解した。
「…智和はどうするつもりなの?」
「…俺が父親だし、責任とって茜と一緒にいようと思う」
そう言われると、比奈はもう何も言えなくなった。
深いため息をついて、自分の部屋に戻ろうとしたときだった。
「比奈!」
茜が比奈を呼び止めた。
比奈はそれを無視して部屋の扉を閉めた。
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