年下の男の子

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数日の間、比奈はみなみの部屋で過ごした。 そんなある日、智和からメールが来た。 着信ですぐ智和だとわかった。指定着信も解除しなきゃ、とケータイを開いた。 『荷物全部出したよ。本当にごめん』 返事はしなかった。 そのまま茜と智和を電話帳から削除した。 アパートに戻ると、茜の荷物はキレイになくなっていた。 まるで最初から一人暮らしをしているような気がした。 「キレイになってる…」 比奈が出しっぱなしにしていた取り込んだ洗濯物も、少し埃がたまっていたパソコンの裏も、バラバラに入れていたCDラックも、散乱していた雑誌も、全部がきれいに片付いていた。 「茜…」 掃除ができない自分のために、茜が最後にキレイにしていってくれたんだろう。 .
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