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「えーっと、まあ俺、ちょっとした案あって、打撃重視のリーグなんだからいっその事、試合の勝敗なんかは抜きにして、ホームランとかの成績による勝ち点制のリーグとか面白いと思うんだけど」
二人とも、無言でうんと頷く。うーん、空気重いな。続けてもいいのかよ…。
「で、ポイントの制度として、安打+得点+ホームランのボーナスって風にする。ホームランボーナスってのは、1試合の総本数によって値を決める勝ち点で、本数×5点位かな。あとは、ツーラン、スリーランなんかでも付加価値があればどうかな」
「ツーランとかは試合の詳細で確認出来ませんね。自己申告頼りになるのは不確定すぎます。やめましょう…ウエハラコウジ」
μさんが素早く反応する。ああ、ちゃんと聞いてくれてんだな。俺は少しホッとした。
「うーんそうですね。じゃあ選手ごとの複数本塁打に付加ボーナス付けましょう。これなら確認できますよ」
μさんが俺の意見に頷く。では配点は?また素早い質問。この人はイメージ通りの人なんだな。
「そうだな…。単純に本数×10点位でいきましょう」
今度はμさんは少し考えている。成り行きから最初の議題に選んだが、この勝ち点配点はリーグの肝になる特性だ。慎重に決めないといけない。μさんはそれを理解しているんだろう。
…ひょっとして、いい人に巡りあっているのかもな、俺。
チラリと新星くんに目をやる。ボンヤリとしていた目線が急に焦点が合い、俺を見てきた。
「一度それでやってみましょうよ。きっとそれが一番早いですよ」
なるほど、一理ある。ベストな選択かもしれないな。
「じゃあこの後そうしよう。結果報告はまたこの事務所で」
席を立とうとする俺に、新星くんが何か言いたげにこっちを見ている。
?どうした、と聞いてみる。
「リーグ名、決めておきません?その方が何となくこの先話しやすいでしょ」
うん…。俺は頷きながら考える。そうだな、シンプルでリーグ内容に反映してて…直感的に分かりやすく親しみやすい。そんな名前がいいな。
ふとμさんに目をやる。
同じことを考えているんだろう。不意に目があった。
「いやいや、我輩はこういうのは少々苦手なもので…できればお二人に決めていただきたい…イガワケイ」
うーん、ま、でも実際名前なんていつでもいいや。考えてポッと出てくるもんじゃなし…
そう言おうとした時、ふと頭をよぎる単語があった。
俺はそれを口にする。
「バットマン…」
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