集う者たち

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某アメリカンヒーローを連想しがちだが、意味はそのまま。打撃を極めたい強者たちが集まるリーグ。 「バットマンリーグって…どうかな?」 二人とも弾かれたようにこちらをみる。 「…いいですよ。絶妙です。お見事。非常にいいと思います」 「キッシーさん凄いですね。私はそれで問題ありませんよ~」 なら決まりだ。我ながらナイスなネーミングと自負できる。 リーグ名称は決まった。 バットマンリーグ― 俺は、何故か言い知れぬ自信が沸き起こるのを感じていた。 その後、会議は加速度的に進んでいく。次々と上がる議題に適切な意見と的確な反論。全てが上手く流れていく。 中でもμさんの存在は大きかった。 俺はわりと大雑把な、アイデア優先の思いつきじみた考えで、何とかなるだろうというスタンスだが彼は違う。 地に足をつけた意見を持論として展開していく。同じ事柄でも俺とμさんは、全く切り口が違った。 μさんがいるから少々無茶な事でも話はまとまる。 そんな信頼感がこの3人を支配していく。 ―仲間 そう認識するには時間はかからなかった。 そんな折、ちょっとした事件が起こる。 「最近RYOくん来ねえな」 いくつかリーグ内容で固まってきた部分もできはじめ、RYOくんの意見も聞きたい事があるのに、本人があまり姿を見せない。 「我輩はそこまで頻繁に連絡は取っていないので…新星くんはどうですか?…カトウダイスケ」 新星くんは少しうつ向く。 「これはGMではよくあることなんですが、ちょっとトラブルがありましてね」 新星くんは最強打撃会の他に、ボーイズビーという名の団体に所属していて、どちらかというとそっちがメインらしい。そのボーイズビーの代表のタクヤという人物とRYOくんが些細な事から口論になったという。それだけならいいのだが、それを宥めようとした人にまでRYOくんは食って掛かってしまい、少々マズイ状況に陥っているらしい。 団体。 GMにおいてその存在は無視できず、代表ともなれば、周囲にかなりの影響力をもつ。基本的には仲良しの集まったサークルだが、GM内に数多く存在する暗黙のルールをメンバーが破った時などは、場合によって、代表辞任にまで追い込まれたりする、割りとシビアなものだ。 で、今回はどうもRYOくんの分が悪いようだ。
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