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「RYOさん、実はね、こないだ話したときに、もうGMやめようかって言ってたんですよ。リアルでちょっと環境がかわるから、間違いなく来年はできない。って。だから今回の件で、ひょっとして気持ちが切れたんじゃないかなって…」
沈黙が落ちる。RYO君がいないとこの企画は成り立たない。俺たちはそもそもRYO君の人柄に惹かれて集まった。…RYO君、どうしたんだ…。
純正リーグは既に頓挫したらしい。今回の一連の煽りを食って、運営員が抜けたため、士気がガタ落ちしたって。
分配リーグはその特性上、期間が長くならざるを得ないため、08からの開催を目指すらしい。
バットマンリーグはどうするか。
「私がRYOさんと話してみます」
新星君がRYO君と話すべく彼を探したが一向に見つからなかった。まだ退会はしていないようだが…
途方に暮れた新星君の元にある日伝言があった。RYO君からだ。
内容は、自分はもう殆どGMに来ないと思うから後は任せた。という内容だった。
「…勝手な事を」
俺は呟いた。新星君は彼と本当に仲が良かったのだろう。憔悴しきるその姿に掛ける言葉もなかった。
「一旦凍結しましょう。時期的にももうすぐ全国大会が始まります。リーグ開催はそれからでも遅くない…イデショウタロウ」
μさんの意見はもっともだ。それに、俺達には少し時間が必要だ。しかし、急造されたこの企画。今の段階で凍結した後、再開するのは容易ではあるまい。だが今はそんな事まで考えられない。
新星君は無言のまま姿を消す。俺とμさんも向き合い、ただ頷きあう。
バットマンリーグは迷走した。
出口のない迷路?
止まない雨?
そんなありきたりの言葉なんか似つかわしくない閉塞感に包まれ、ただ時だけが流れていた。
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