侵食

2/2
前へ
/2ページ
次へ
鼓動だけが木霊する 自我が浸食されていく 真っ赤に染まった俺の手 俺の横に横たわる死んだ人々… コレは… 記憶にあるのは ただ 凍りついた殺意だけ 亮:なぁ、俊也… 俊也:んー? 亮:聞いて欲しい事があるんだ 俊也:何だよ 改まちゃって 亮:俺さ、たまに人を殺す夢を見るんだ 苦しくて、怖くて、何もわかんなくなって… そんな中でひとつだけ背中に冷たい視線を覚えてる… 殺意に塗り込められた 自己が消失する感覚 亮:今でも[殺したい]思いにとりつかれた俺を思い出すと怖いんだ あんなん俺じゃない なぁ、俊也… あれは夢だったけど 現実でもあるかもしれない 俊也… 現実であったら そん時はお願いだから お前が俺を殺してくれよ 自分でいられるうちに 自分が消えないうちに 亮:殺してくれよ… 俊也:わかった お前が願うなら俺が殺してやる 消えていく こころの片隅に たったひとつ願う 最期に大切なお前に会いたい
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加